2012年02月03日

北方圏センター懸賞論文『北海道の観光活性化につながる人的国際交流の進め』 -4- U章 3

3. 外国人旅行客にとっての北海道の魅力と不満,障害者向け観光案
北海道観光局《平成19年度 訪日外国人来道者動態・満足度調査報告書》(*11)によれば,年間通しての来道者(全国籍)の観光目的上位5つは「自然観賞」「温泉・保養」「買い物」「都市見物(観光名所めぐり)」「名物の飲食」である。次回の北海道旅行の希望上位5つは「温泉・保養」「冬のイベント」「買い物」「名物の飲食」「スキー・スノーボード」である。
また観光庁発表《訪日外国人消費動向調査集計表》第2回調査(*8)では,外国人旅行者の購買率が高い項目は「宿泊料金」25.8%「飲食費」37.7%「飲食料品の買い物」60.9%であり,「娯楽サービス」14.7%や掛からざるを得ない「交通費」24.2%と比べると,飲食・宿泊に関わる購買率が跳びぬけて高く,旅行客の誘致に重要な項目であることを示している。
一方,「食事」「お土産品」「宿泊施設」「交通機関」「観光施設」に対する不満(*11)は,いずれも「母国語が通じない・母国語表示が少ない」が1位を占める。現在,観光情報の入手方法はインターネットが主流になり,良い情報も悪い情報も高速・広域に広がってしまう。新規・リピーターを得るためには言葉の課題の解決が急務である。
 さて,これらの北海道の魅力は外国人障害者旅行客に堪能してもらえるか。「温泉・保養」「買いもの」「飲食」は介助者が付いていれば障害者旅行客にも楽しめるが、「自然観賞」「冬のイベント」「スキー・スノーボード」などは視覚障害者には困難であろう。
しかしオホーツク流氷館の流氷展示のような「触れられる展示」,安全な場所での氷上ワカサギ釣りや整備されたコース内でのクロスカントリースキーなどの「アクティビティ」,森林浴やPMFの野外コンサートのように「五感に訴える自然」など,「より体感的な体験旅行」で、魅力を補うこともできる。
 バリアフリーも重要だが,如何に楽しめる発想ができるか。外国人障害者旅行客のみならず,国内の障害者旅行客にもモニターを募集し,その発想を得ることも必要になるだろう。

2012年01月01日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
今年もちょぼちょぼと更新していきます。
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2011年12月04日

北方圏センター懸賞論文『北海道の観光活性化につながる人的国際交流の進め』 -4- U章 2

2.市場対象となる「障害者」層
筆者は新たな需要層・市場は「障害者」層にあると考える。
障害者の人口について中野善達編《障害者に関する統計》(*6)では,『「障害者に関する世界行動計画素案(1981年)」では,世界中の障害者数は5億人以上で,その人数は増加しつつあること,ほとんどの国で10人に1人はなんらかの障害をもっていること,障害に応じたサービスを受けられない地域に住んでいる人たちが少なくとも3億5千万人はいる』と述べられている。
また傷害保険福祉研究情報システム《アジア太平洋障害者の十年・第二次十年》(*7)中の各国の第一次・第二次状況の比較によって,障害者人口が年々増えている事実や,貧困層が多い新興国での障害発生率が高い事実が証明できる。
 今後,新興国のみならず先進国においても障害者は増えていくだろう。その要因は@生活環境が整い高齢化が進んだために,加齢によって引き起こされる障害が増えてきたこと,A生活習慣の変化による生活習慣病の発症率が上がっていること,Bインドや中国など急激な経済発展を遂げている国が先進国化した結果,元々障害者の存在数の高い国が今後母体数に組み込まれることが挙げられる。
 現在5億人以上いる障害者の中で,十分なサービスを受けられない人が3億5000万人いる。別の見方をすればサービスを受けられる障害者は1億5000万人程存在し,その中には中間・富裕層も多数いるであろう。また新興国では経済発展によって経済的余裕ができ,貧困層だった層が中間・富裕層へと区分が移るケースも増加していくと思われる。
その1億5000万人以上が中間・富裕層であると仮定し,その中間・富裕層の中の0.01%しか誘致できなかったとする。その場合でも外国人観光客の道内での消費単価251876円(*8)を乗じた数字は38億円と,その市場規模は大きい。
市場対象となる障害者は,比較的収入が多く(*9)総数も多い(*10)身体障害者となる。ここからは身体障害者を対象にした人材育成・環境設備を以降論じていくが,提案する「介護・看護通訳士」は自国や日本国内での実務・研修を通じ,医療・介護の専門的な知識・技能を持ち合わせていることを前提としているので「知的障害」「精神障害」の介護・看護も十分に対応できる。

2011年10月21日

北方圏センター懸賞論文『北海道の観光活性化につながる人的国際交流の進め』 -3- U章

U 外国人観光客の現状と新たな市場となる対象
1. 外国人旅行客の現状
 《北海道観光入込客数報告書》によれば,平成年度調査で12万人だった外国人来道客数は,新千歳国際線の就航拡大に伴い,平成20年度で69万人と6倍弱の伸びを見せた。特に平成16年度以降は,アジアからの観光客数の増加が著しい。一方で,平成19年度から21年度上半期までの過去3年間の数字を振り返ってみると,客数は19年度をピークに下降傾向に入っており,また観光消費額単価も年々減少している。
例外的に中国は高い上昇率を示しているが,これは新千歳への定期路線の就航,中国国内経済の好調,観光ビザ規制の解禁などの好材料があったためである。急激な経済発展の下,富裕層はもちろん,中間所得層でも平均所得が上がっているため(*5),訪日の機会は今後も増えるものと予測できる。
世界各国が慢性的な不況に陥っている上に円高気配が続いているために,海外旅行の機会自体が減り続けている。その数少ない機会を少しでも日本,そして北海道へと向けさせるために,新たな需要層を掘り起こすこと,そして何度でも訪れたいというイメージを強く印象付け,リピーターを確保することが必要だ。
そのためにも,まず旅行客の要望を確実に汲み伝えることが出来る手段・人材を備えること,更に北海道でしか体験できない,或いは他の都市よりも充実している,といった独自性・ブランドを作ることが重要である。

2011年10月01日

北方圏センター懸賞論文『北海道の観光活性化につながる人的国際交流の進め』 -2-

2.「介護・看護通訳士」の定義
 「介護通訳士」は次の条件を満たす。
・介護福祉士の国家資格,又は介護福祉士の国家試験の受験資格を満たす。
・外国人旅行客が道内で快適に過ごせるための必要な語学力を持つ。
・場合に応じて旅行客の食事・入浴・排泄などの介助が出来る人材とする。
 「看護通訳士」は次の条件を満たす。
・正・准看護師の国家資格,又は正・准看護師の国家資格の受験資格を満たす。
・道内で医療行為を希望する外国人旅行客が,医師との間に立ち治療内容や意思の疎通に支障が無いように通訳できる語学力を持つ。
・場合に応じて旅行客の食事・入浴・排泄などの介助が出来る人材とする。
 これら通訳士は国籍を問わず,また地域の飲食店・宿泊施設・交通手段などの情報提供や,文化・地理・歴史などに対する知識を持つコンシェルジュの役割も持ち,通訳案内士または地域限定通訳案内士の資格を持つことが望ましい。

2011年08月30日

高校無償化制度 文科省への抗議

論文は一度お休み入れて、朝鮮学校への高校無償化制度について物申す。
管前総理のいたちっぺで、朝鮮学校への高校無償化制度導入の審理が始まった。

   引用:MSN産経ニュース
 【松本外相は菅首相の『思いつき』指示否定 朝鮮学校無償化
  2011.8.30 12:46
   松本剛明外相は30日の記者会見で、菅直人首相が内閣総辞職直前の29日に朝鮮学校に対する高校  無償化の審査手続き再開を指示したことについて「首相自身の判断で手続きを停止したので、どこかで  再開するのは常に念頭にあったのだろう」と述べ、首相の「思いつき」との見方を否定した。
  (中略)
   審査手続きは昨年11月の北朝鮮による韓国・延坪島砲撃を受けて停止。首相は「昨年11月以前の  状況に戻った」と再開の理由を説明しているが、北朝鮮は日米韓各国が求める非核化に向けた具体的な  行動は示していない。松本氏は「手続き再開は外交上の観点ではなく、教育上の観点から客観的に判断  される」と語り、文部科学省に今後の判断を委ねる考えを示した。】

 震災復興・不況打破・財政健全化など金のかかる課題がいくつもある状況で、反日教育をしている他国の学校なんぞに何故好き好んで金を使おうとするのか。頭がいかれてんじゃないかと思い、文科省にメール。
以下、メールの内容。

 『朝鮮学校の高校無償化制度導入は絶対見送るべき』

  【管前首相は「現在北朝鮮が延坪島砲撃以前の状態に戻った」ことを根拠として審議入りをさせたが、  8月10日にも延坪島への砲撃を行っている以上、その根拠は全く持って正当性が無い。
   増して、日本の教育カリキュラムに則らず反日教育を施している学校へ日本人の血税を注ぐことなど  ありえない。加えて、今春4月までの遡求を可能とした条文を含めるなど以ての外。本審査の審理に入  ったこと自体、許せざる売国奴の愚行である。
   今、日本人が不況脱出や震災復興、少子高齢化対策の財源を求めて四苦八苦し、日本国民のためなら  と増税に賛意を示す国民が増えている中、その税金を朝鮮学校のために使うと決まった時、日本国民は  どういう思いをするか、それすらも分からないのか。
   更に、朝鮮学校は無償化対象としているが、同じ各種学校と定義されている予備校・調理師学校の無  償化がハナから検討されていないのは何故か。私立高校を完全無償化しないのは何故か。日本国民のた  めの学校への無償化すら十分出来てすらいないのに、朝鮮学校の審議するなどと政治家は誰の顔を見て  政治を行っているのだ。
   少なくとも日本国民が十分な教育サービスを受け、復興が進み、経済の持ち直しが見られ、かつ朝鮮  学校のカリキュラムや道徳教育が日本国の基準・指導要領に則ったものになるまでは、こんな愚案は決  して許さない】


右翼みたいだな……。
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2011年08月13日

北方圏センター懸賞論文『北海道の観光活性化につながる人的国際交流の進め』 -1-

北海道の観光活性化につながる人的国際交流のすすめ 
−経済連携協定(EPA)を通じた観光活性化を担う人材の育成−

T はじめに
1.北海道の主幹産業の現状
北海道の主幹産業は農産業と観光産業である。北海道の農産業の生産額は,平成20・21年の調査で凡そ1兆円超(*1)である。それに対して観光産業は,平成10年の道内各空港の国際線の新規参入・増便を境に,来道者数は平成9年《北海道観光入込客数調査報告書》(*2)調査当初から現在まで6倍近く増え,観光消費額は平成17年には1兆2946億円に上り,その観光消費がもたらす生産波及効果は1兆9770億円と推計されている。(*3)
だが,農産業はデフレによる生産価格の低下,自由貿易による輸入作物との価格競争,農家保護政策の見通し不安,従事者の高齢化,後継者不足,耕作放棄地の増加など,産業発展への不安材料が多く,そのいずれも即時的な解消が困難であり,今後の展開如何によって主幹産業たりえなくなる可能性もある。
 一方,観光産業も世界的不況の影響を強く受け,市場も減少傾向にある。《観光入込客数調査報告書》では,年々北海道への旅行客数が国内旅行客のみならず,外国人観光客までもが緩やかな減少を続けていることが見て取れる。しかし国策「ビジット・ジャパン・キャンペーン」(*4)導入で旅行客数が大幅に伸びたように,的確なプラン・サービスの展開,需要層の発掘ができれば,短期間で巻き返すことも十分可能である。
幸い北海道は「温泉」「自然」「食」「施設」などの観光資源に恵まれており,新規観光資源開発をせずとも,既存施設・観光資源の活用,企業間の連携で比較的短期間・低コストの活動であっても新しい旅行形態(ニューツーリズム)や高い効果を生むことが出来る。
今,観光産業の振興は国を挙げての課題であり,その推進事業には多額の予算が充てられる。多数の観光政策はあるが,その中で国の経済方針というべき《新成長戦略》と観光政策の指針となる「観光立国推進本部の予算案」との間で「医療と観光」「人材の育成」が共通しているところ、ここが最重要な点と判断する。
本稿では,医療だけでなく介護にも枠を広げ,経済連携協定(以下EPA)の「外国人看護師・介護福祉士候補者受け入れ」という国際交流事業を通じ,北海道の観光産業の活性化とそれに寄与する【介護通訳士】【看護通訳士】(仮称)との育成を提案する。

2011年07月13日

2010毎日農業記録賞 応募作品

調理人が生産者のためにしたいこと,低価格志向を考える

1.はじめに
「函館」と聞くと,皆さんはどのようなことを想像するでしょうか。100万ドルの夜景,異国情緒あふれる街並,戊辰戦争に関わった史跡といった観光名所。蟹や烏賊,戸井のマグロといった新鮮な魚介類や朝市を代表とする水産・小売業などが浮かんでくると思います。では,「函館らしいデザート」と聞かれたときに何を想像するでしょう。
 私がとある団体食を中心とする店で働いていたときのことです。お客様から「函館らしいデザートをコースに追加して欲しい」との依頼を受けました。「北海道らしいデザート」であれば,乳製品,小麦,小豆,芋,メロンなどを用いたデザートを思い浮かべられます。しかし,数十年もずっと函館に住んでいながら函館らしさをうち出したものをぱっと考え付くことができませんでした。
大野のマルメロ,七飯のりんご,福島の米,森のかぼちゃといった食材が生産されていることは知っていました。しかし,その食材で「北海道」らしさと「函館」らしさの違いを出せるかが不安でした。「この食材は北海道の中でも函館が有数の名産地なのだ」と,はっきりいえる食材の知識が無かったためです。これを契機に改めて地元の農産物を知ろうと学び始めました。そして勉強していくうちに,函館では農業が幾分軽視されている面があるのではないかと感じ,ならばあえて水産で有名な函館・道南で,野菜・酪農を中心としたメニュー作りで,飲食店が生産者を盛り上げることができても良いのでは,そう考えて本文を綴りました。

2.野菜の活き造りはいかがでしょう
 函館では店内に生簀を置いて,注文に応じて目の前で活き造りにしたり,茹で上げてみたり,直火の上に乗せて焼いてみたりと,魚介類中心のお店ではこういった新鮮さを出した演出がお客様から好評を得ています。それなら農産品でも同じような演出ができるのではと思いました。
 地場の野菜の中から特に鮮度が良くなければ食べられないものの厳選・提供、例えば甘さいっぱいのピュアホワイトやえぐみのない朝取りの根曲り筍の刺身など生食ができる珍しいものを提供するのも面白いでしょうし,店内に鉢植えで栽培しているトマトの枝から,お客様にひとつを選んでいただき,同じく鉢植えのバジルを目の前で摘み,トマトとバジル,チーズ(或いは豆腐)のカプレーゼを作り提供するのも良いでしょう。
変わったところでは生クリームを用意し,男性のお客様には腕の見せ所として撹拌用にビンを渡し,女性の方にはお手軽に撹拌できる電動ホイッパーを渡して,自家製バターを作っていただき,パンやジャガ芋の上に乗せて召し上がっていただくのも乙だと思います。
また、冷蔵クリアボックスや氷を張ったガラス製ボウルの上に並べた新鮮な野菜の中からお好みの野菜を選んでもらい,お客様の希望する調理法で、例えばタジン鍋で蒸し上げてバーニャカウダにしたり,煮物・焼き物にしたりして召し上がるのも面白いでしょう。もちろん店頭販売も取り入れます。
他にも豆乳ににがりをうち,目の前でおぼろ豆腐の出来上がる様子を見て味わっていただくのもより楽しんでいただけると思います。
農産品メインだと華がないので難しいという声も聞きましたが,そんなことはありません。このようなお客様が喜んでくれそうな演出・企画は数限りなく思い浮かびますし,実際に導入するのもさほど困難はありません。
 ただ,こういった演出・提供方法をする中で,生産者の姿を考えるという前提を考えたとき,決して外してはいけないポイントが3点あると私は思っています。一つはお客様に「触れてもらうこと」,もう一つは「感じてもらうこと」,そして「知ってもらうこと」です。

3.小さな収穫体験,生きた食材に触れる
 野菜を直接手に取りもぐ。家庭菜園を営んでいる人なら,スーパーなどで売られている成熟前のものと,しっかりと完熟したそれとの違いを大きく感じていることと思います。瑞々しく,張りがしっかりとしてイボやとげが痛いぐらいに突き刺さる,そういう野菜の感触に命の息吹を感じます。しかし,大多数の家庭では商品として店頭に並べられている,息吹の弱くなってしまったものに触れたことしかないでしょう。情報で想像するのではなく,実物に触れてもらうことで得られる体験的知識,これを知ることが「食」「農」への興味につながっていくと思います。
また学習活動は,座学で学ぶより体験的学習で学んだ方がより深く心に留まります。複数のお客様に手作りバターを瓶で分離させる方法とホイップで分離させる方法を試してもらい,できたそれをすぐさま料理で味比べをする。小・中学校で子どもの体験学習の教材として扱われることが多いこのバター作りは、大人がしても大変楽しいものです。苦労した分だけ,そしてすぐに料理としてでてくるとあれば尚、美味しさが増すでしょう。

4.五感で感じる
 食材を触覚・味覚で感じるだけで終えてしまうというのも,非常にもったいないことです。もっと視覚や聴覚,嗅覚にうったえる工夫も考えられるでしょう。主役級の食材は勿論,けん・つま・剥きものといった目立たない添え物でも,新鮮なものであればこんなに切り口が立ち崩れず,切り口の艶やかさが続くのだということを見せることで。お客様の食材への興味を深められるのではないでしょうか。野菜を切ったとき,口にしたときの小気味のいい音。トマトをもいだ瞬間,バジルをちぎった瞬間の香り。このように新鮮さを五感全てで感じることで,より深く食材への関心を引き出せるのだと思います。

5.知ることの重要性
 それら関心・興味を引き出した上で,お客様に「知ってもらいたいこと」があります。簡単なところでは,地域内外の食材の旬や保存法などです。実は旬のものは露地栽培でなくても,美味しさは勿論,栄養価までが高まります。が,これを知らない人結構いると思います。「旬」のありがたみ,季節感が薄くなっている今だからこそ伝えたいのです。地場の旬の食材を知ることも大切です。
そして最も知って欲しいこと,それは地場の食材とそれを育む生産者の姿です。自分の住んでいる地域で何が栽培されているかということを知らない人が意外といるのではないでしょうか。私の住む函館では,観光・水産のイメージが強いため,私を含め大半の地元の人は根菜,キャベツ・白菜が道内でも有数の産地であることを知りませんでした。
 では,地場の食材を知ることで何が変わってくるのか。函館の場合,今まで観光・水産一辺倒だった産業に限界が見え始め,農産業重視に方策を変える可能性が出てくると思っています。外国からの旅行者はここ数年増え続けていますが,中々財布が硬いという傾向があります。円高の現在は尚更です。また,異常気象・海洋資源の減少で水産業も泰然と構えることが難しくなってきています。そんな中,底止まりながら安定している農産業に興味を持っていくことが今後必要になってくるものとそう思っています。

6.地産地消と価格競争
 この頃地産地消を合言葉に飲食店はもとより,一般家庭にも地元の食材をという流れが出てきています。生産者が共同経営で農産物直売所を営むところが増えたり,スーパーの中にもコーナーを設けたり,観光農場として果樹園を有料一般開放したりするようになったことが拍車をかけているのもあります。市場流通品と比べて,規格外のものも混じってはいますが価格も量もお手ごろになっています。地場の農産業を推奨することにも繋がるこの動き,消費者には嬉しいことですが,生産者の声はどうでしょう。
実際に森町で農家をなさっている方からお話を伺いました。「今の中心作物はじゃがいも,メロン,かぼちゃ,西瓜などでこれらは全て東京に送ってしまう」「トマト・トウモロコシもできるが,自分で食べるためや配るための分くらいしか作らない」「卸市場だと買い取り価格が安くなってしまうことがある」「地産地消も必要なことだししてみたいとは思うが,経営を考えると商品作物を主体にせざるを得ない」と,消費者とは乖離が見られます。
 不景気のさなか低価格志向への流れは,仕方がないことにも思えます。しかし価格競争が生産者に過大な重圧をかけすぎている,乖離にはそれが垣間見えているように思います。その一方で生産者は経営が上手くいく位の価格がつくのならば,地産地消の流れに乗ってもらえることを示唆しているとも受け止められました。
飲食店の視線からこの低価格志向の流れを見たいと思います。私が体験したケースですが,食材の発注をとある業者にしたときのことです。今後何とか仕入原価を抑えたい旨を業者の方に伝えていました。翌日,届けられた食材は,安いものを求めすぎるとこういうものが来るのかと思い知らされる代物でした。どうしても使えないものは返品・交換しましたが,検品に立ち会った業者の方は何と思っていたのでしょう。
 決して正しいことではありません。でも,業者ばかりを責めるわけにはいきません。そうさせたのは自分なのですから。卸業者も価格を下げるために必死なのです。

7.適正な価格販売を望む
低価格という一面だけを追い求めてしまうと,生産者,卸,飲食店,そして口にするお客様,と全てに悪影響を及ぼす可能性があります。確かに安くてよいものもありますが、そうではないものの方が圧倒的に多いのではと思います。そういう不信・懸念を持って食事をされても、美味しく感じるとは思えません。
ならば、全ての人が「価値に見合っていれば多少高くてもいいや」「美味しくて安い地場の食材を使おう」という考えに変わったほうが良いのではないのでしょうか。そのきっかけを作るために今後も調理師としてできることを続けていきたいと、そう思います。

(〜4000字)

2011年06月24日

NIE考

 新指導要領で扱われることになったNIE。とある事件の報道を見て、NIEの意義に危うさを感じる。
 今年初めて、小学校にNIEが導入された。まだ立ち上がって間もないときから言ってしまうのはアレかとも思うのだけど、NIEって本当に必要?

 《日本新聞協会》HPにある小学校の実践例一通り目を通して思ったことが、正直その授業で新聞使う意味あるの?というものばかり。特に国語科の実践例。「記事の中からカタカナ語を見つけて日常にそれが溢れていることを知る」とか、「新聞の写真を見た感想を5・7・5にまとめる」とか、それらは新聞を使わなくてもできることではないのかなと。

 新聞を扱う意義・メリットは1に継続的に新鮮な情報を得られること、2に(建前上)自由で正確な表現がなされていること、3に文章表現の1つのモデルとして優れていることだと思う。
 ただネックは、テレビメディアと違い、新聞は購読しない世帯が増えつつあり子ども全てが読んでいるという前提での授業が成り立たないこと、そして教材として使う新聞によっては偏った判断をする子どもが出てくることだ。

 後者の例。恣意的に聖教新聞・赤旗といった政党色の濃厚な機関誌を教材にすれば必ず子どもたちの思想に影響を与えるだろうし、表立っては政党色を出していない新聞でも(特に産経は異常なほどの民主叩きをかます)商売上、ある程度偏った報道がなされているのを扱うのもどうかと思う。
 教員が教材としてどの新聞を扱うか、仮に複数紙扱ったとしても全てを網羅することはできないわけで、何故この新聞を選んだかその根拠を明確にしないと問題が十分に起こりうると。

 で、冒頭の事件に戻るのだけれど、概要は「伊勢神宮に東日本大地震の被災者支援として贈られた支援米5トンのうち、2トンを宮城に、1トンを岩手に、残りの2トンは職員が持ち帰ったと」いうもの。では、各社それをどう報じたか。

@神社本庁 被災支援米を持ち帰る 2011年6月20日 夕刊 東京新聞
 東日本大震災の被災者を支援しようと、三重県伊勢市の伊勢神宮が神社本庁(東京都渋谷区)に送った米五トンのうち二トンが、福島県などに送られず、神社本庁の職員らが、自宅に持ち帰っていたことが二十日、分かった。
 神社本庁によると、支援のための米は、被災地の神社庁の要請に応じ、神社に避難中の氏子らに向けて送られている。
 各県の神社庁を通じ、五トンのうち宮城に二トン、岩手に一トンを送った。
 残る二トンは福島県などに送る考えだったが、福島県神社庁からは、被災者が何度も移転していることなどを理由に「送るのをしばらく待ってほしい」と返答があった。
 神社本庁は五月半ばに「米が腐る可能性がある」と判断し、十キロから三十キロに小分けして職員らに持ち帰らせた。
 福島には米の代わりとなる義援金を送ることにし、職員ら個人や、職員の互助会から義援金数百万円を既に集めた。今後送る予定という。
 神社本庁は「伊勢神宮からの米を職員らに配ったのは事実。やむを得ない処置で、判断は適切だった」としている。

A支援米、職員に配給=伊勢神宮の2トン送れず―神社本庁、「保管」と反論 2011年6月19日(日)15時15分配信 時事通信
 東日本大震災の被災地を支援するため、伊勢神宮(三重県伊勢市)が宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区)に送った御料米の一部が、福島県に届かず本庁職員らに配られていたことが19日、神社関係者への取材で分かった。
 取材に対し、神社本庁総務部は「庁内で保管しており事実無根」と反論しているが、関係者は「配給された米を受け取らなかった職員もいた」などと証言した。
 伊勢神宮などによると、同神宮は3月、敷地内で収穫した御料米5トンを神社本庁に送り、被災地に配るよう頼んだ。本庁は宮城、岩手、福島3県にある下部組織の神社庁に連絡し、宮城に2トン、岩手に1トンを送った。
 関係者によると、福島県神社庁は、原発事故で住民が避難しているため配れないことなどを理由に、「送付をしばらく待ってほしい」と回答。このため、神社本庁は庁内で2トン分を保管していた。
 しかし5月半ばになって、本庁は「配給」を決定。保管した米を運び出し、「神宮司庁」と書かれたラベルを剥がして約5キロ入りの袋に小分けした後、10〜30キロずつ配った。職員らの中には持ち帰った人もいたが、受け取りを拒否したり、福島などに送り直したりした職員もいたという。
 御料米は新嘗祭などで神に供えられる。配給する際、具体的な説明はなかったが、関係者は「職員らも大体(支援米であることは)分かっていた。『神職にある人間の組織なのにおかしい』と疑問の声も上がっている」と話した。
 神社本庁は、戦後の神道解体に対抗するため、全国の神社が1946年に設立した自主組織。現在、全国約8万の神社を傘下に置いている。職員は約80人で、全員が神主の資格を持つ。

B支援米「腐る恐れあった」=職員への配給認める−神社本庁 (2011/06/20-19:42)時事通信
 神社本庁(東京都渋谷区)が伊勢神宮(三重県)から被災地支援として送られた御料米の一部を職員に配っていた問題で、神社本庁は20日、配給の事実を認めた上で、「保管を続ければ、梅雨のシーズンなので米が腐る可能性があると判断した」と説明した。
 時事通信の取材に対し、「職員に配ったというのは事実無根だ」と回答したことについて、総務部は「神社内部の話だったので外に出したくなかった」としている。
 神社本庁総務部によると、伊勢神宮から3月下旬に送られた御料米のうち福島県神社庁に送る予定だった米については、同庁の要請があればいつでも応えられるよう倉庫に保管。その後5月半ばに梅雨の時期を控え、「このままでは米が傷む可能性がある」と判断し、20日すぎに職員らに配った。
 神社本庁の職員個人や職員の互助会ではこれまでに数百万円の義援金が寄せられており、全国の神社からの義援金と一緒に、今後被災県の神社庁を通じて、各神社に送る予定という。


C神社本庁:伊勢神宮からの被災者支援米 職員ら持ち帰る 毎日新聞 2011年6月20日 11時53分(最終更新 6月20日 12時38分)
 東日本大震災の被災者を支援しようと、三重県伊勢市の伊勢神宮が神社本庁(東京都渋谷区)に送った米5トンのうち2トンが、福島県などに送られず、神社本庁の職員らが自宅に持ち帰っていたことが20日、分かった。
 神社本庁によると、支援のための米は、被災地の神社庁の要請に応じ、神社に避難中の氏子らに向けて送られている。
 各県の神社庁を通じ、5トンのうち宮城に2トン、岩手に1トンを送った。残る2トンは福島県などに送る考えだったが、福島県神社庁からは、被災者が何度も移転していることなどを理由に「送るのをしばらく待ってほしい」と返答があった。
 神社本庁は5月半ばに「米が腐る可能性がある」と判断し、10キロから30キロに小分けして職員らに持ち帰らせた。福島には米の代わりとなる義援金を送ることにし、職員ら個人や、職員の互助会から義援金数百万円を既に集めた。今後送る予定という。
 神社本庁は「伊勢神宮からの米を職員らに配ったのは事実。やむを得ない処置で、判断は適切だった」としている。

D支援米被災地に送らず 神社本庁職員ら持ち帰る「腐る可能性が…」 [ 2011年6月20日 11:30 ]スポニチ
 東日本大震災の被災者を支援しようと、三重県伊勢市の伊勢神宮が神社本庁(東京都渋谷区)に送った米5トンのうち2トンが、福島県などに送られず、神社本庁の職員らが自宅に持ち帰っていたことが20日、分かった。
 神社本庁によると、各県の神社庁を通じ、5トンのうち宮城に2トン、岩手に1トンを送った。残る2トンは福島県などに送る考えだったが、福島県神社庁からは、被災者が何度も移転していることなどを理由に「送るのをしばらく待ってほしい」と返答があり、神社本庁は「米が腐る可能性がある」と判断し、職員らに持ち帰らせたという。

 新聞記事を批判的に或いは比較して見るために良い例という見方もできる。けれど、同じ新聞社の記事でも違いがでてくる(この場合は時事通信AB)のを比較するという発想に至るかは、教師にも子どもに難しい話ではないかなと。
 新聞を授業に活用すること自体は良い試みではあるけれど、指導要領にまで新聞をと書かせたのだから『これは新聞を使わないと出来ない授業だ』というものを作り上げなければどうなんだろう……、という気がした。
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2011年05月12日

睡眠時無呼吸症候群

 それなりの体格になると、それなりの症状が現れるわけで……。
 先月21日に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の1泊入院検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査)を受け、今日その結果を聞きに行きに。結果から言うと軽症のSASですと。7時間中呼吸停止回数35回、最長無呼吸時間36秒、酸素低下呼吸61回、持続時間50秒という報告。そしてこの時間中、深い眠りに入った時間は0分。日中眠くなったり、起きても疲れが取れないわけだ。しかも、これでもまだマシな方という……。
 仰向けになるとSASの症状が出やすいらしく、横向きで寝てた時間は症状なし。いびきも軽減されるよう。なので、安上がりな対策としては抱き枕を利用するとか、背中にタオルか何かを入れて横向きの状態を無理やり作るのがよいと言う。
 で、自分の場合はどうなったかと言うと、仰向け状態の時は中度の症状がでてるので、マウスピース(スリープスプリント)を作ってみてはということに。そのお値段3割負担で15,000円。検査代も15,000円なのでトータル30,000円の出費。洒落にならんね……。
 症状が重症であれば、CPAPという装置を使用すると。月1回診察を受け、機械をリース。お値段月5,000円。年間60,000円ですと。
 SASの治療は基本的には対処療法で、根本治療は難しいらしい。悪化につながるので「太るのは避けてください」と医師から強く言われ、明日からまた体を絞ろうかなと。太るのってリスクばっかり……。
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